読書

読書・文学

アーヴィング「スケッチブック」-寡婦とその息子-から考える「解放」としての死

ここ最近、アーヴィングの「スケッチブック」を読んでいる。19世紀に書かれたエッセイだ。冒頭のアメリカからヨーロッパに到着するまでを書いた「船旅」は、現代の旅行記として読んでも違和感がなく、数百年の時を経ても、感じることはこんなにも変わらない...
読書・文学

オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』/的を狙わずに的を射る

オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』は、ドイツ人哲学者による弓道体験記。この本が広く読まれてきた理由のひとつに、「ライ麦畑で捕まえて」の作者、サリンジャーの愛読書だったことがある。彼の最後の作品『ハプワース』には、本書で繰り返し語られる「的を狙う...
読書・文学

関係の終焉は闇か光か/江國香織とフィッツジェラルドを読みながら考えた

最近江國香織のエッセイを立て続けに読んで好きだなあと感激し、今日は「号泣する準備はできていた」という小説を手に取った。かなり冷房が聞いたカフェでページを開き、読み進めるうちに更に体が冷えた気がした。そこに書かれているのは崩壊した、しかかって...
読書・文学

「捨てる」は自分の至らなさを認めて前に進むこと/近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法」

久しぶりにコンマリこと近藤麻理恵さんの処女作「人生がときめく片づけの魔法」を読んだ。この本の内容はいたってシンプル。片付けられると人生が変わる。そして片付けるために大切なのは捨てること。ちょうど引越しが迫っていて日々捨てる、を意識していたか...
読書・文学

ヴェルコール『沈黙のたたかい』/戦争反対?本当に?

戦争反対、という言葉に違和感を感じるようになったのは、中学生の頃だ。小学校の時に「ヒロシマのうた」という教材を3か月ほどかけて読み説く国語の授業を受け、その時点では戦争はよくない、戦争反対、という思いを強く持ったのだけど、その後歴史の授業で...
読書・文学

アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』(1944)/加害性と向き合う

毎月参加している読書サークルでアガサ・クリスティの『春にして君を離れ』を読んだ。この本、10年前くらいに読んだ時は「いい話」という印象だったのに、再読したらいい話どころか、人が死なないホラー。配偶者と子どもの人生を自分のもののように口出しを...
読書・文学

ミル「自由論」(1859)/SNSの使い方に関する19世紀からの提言

夜寝付けない時には難しそうな本を読む。今回読んだミル「自由論」もKindle Unlimitedで読めるラインアップの中で「眠くなるだろう」と思ってダウンロード。ところが冒頭からパンチラインの連続で逆に目が覚めた。Twitterで時折見かけ...
読書・文学

ダーウィン「種の起源」(1859)/誰もが貴重な存在であるその理由

1月に読んだ本の中でダントツで良かったのが、ダーウィンの「種の起源」。ダーウィンの進化論を根拠に「この世界は弱肉強食であるから弱い者は滅びて当然」的な言説を目にすることがあるけれど、まったくの誤解で、むしろ「弱い者」が生きてこそ「人間」とい...
読書・文学

ドストエフスキー「貧しき人々」(1864)/不相応な恋心に寛容である生きやすさの話

とあるラグジュアリーブランドのファンで、長持ちする小物やバッグは、なるべくそのブランドで買うことにしている。そのブランドの店舗に行く時はいつも私なりの最大限キチッとした身なりをして、足を踏み入れる。ところが先日は子を保育園に送った後にカフェ...
読書・文学

世阿弥「風姿花伝」(1400)「花鏡」(1428)/この先の人生、ただただ向上進歩するのみ

2022、仕事初め。12月23日からほぼ会社PC開かず、だったので、頭に入っていたはずの曜日毎のなんとなくのスケジュールがしっくりこない。頭が働くようになるまでの作業として、12月のランチ代の請求書(弊社はランチ代の補助が出る)をひたすら社...