本
トルーマン・カポーティ「草の竪琴」
人生でいちばん勇気を出したのは、前の夫との離婚を決めた時だ。子を産んだら家庭に軸足を置いてほしい、というのが元夫の望みで、家庭観が合わない以外は理想的な人だった。
本の感想のつもりが、いつのまにか自分の人生の話になる。そういう読み方をした一冊。
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エッセイの選集と、日々の記録の粒と、2冊の本。makicoo の書いたものの置き場です。
Essays
500を超えるエッセイから、日替わりで5本。今日の5本。
本
人生でいちばん勇気を出したのは、前の夫との離婚を決めた時だ。子を産んだら家庭に軸足を置いてほしい、というのが元夫の望みで、家庭観が合わない以外は理想的な人だった。
本の感想のつもりが、いつのまにか自分の人生の話になる。そういう読み方をした一冊。
本
今年に入ってから100冊以上の本を、20本以上の映画を手に取って気づいたことがある。それは読んでからしばらく頭に残る作品がある一方、手にとったことすら記憶から消える作品があるということ。
「一生覚えていそうな作品」に出会った記録。
ヒト
マタ旅、という言葉がある。妊娠中の旅行はSNSでは非推奨とされている。ましてや海外など、と。7年前、私は妊娠6ヶ月でハワイにいた。
あのときの選択の答え合わせを、7年後にした話。
場所
2003年公開の映画『ロスト・イン・トランスレーション』を初めて観たとき、作中でスカーレット・ヨハンソンとビル・マーレーが泊まっていた西新宿のパークハイアット東京に、強く憧れた。
憧れた場所が、いちばん好きな場所になるまで。
場所
土地に馴染むというのは、その街のちょっとした“裏道の呼吸”を身体が覚えることなのだと思う。
引っ越して見つけた、新しい街との距離の縮まり方。
食・店
18歳からずっと東京にいて、好きだったお店との別れは何度も経験してきた。閉店を知って最後に訪れた店もあれば、ずっとあると思っていたのに突然なくなってしまった店もある。
まだ失っていないのに、もう寂しい。店との距離の話。
映画
新しい映画、しかも邦画、はなるべくみないようにしているにも関わらず「ドライブ•マイ•カー」を観ることにしたのは、周囲の評判が恐ろしくいいこと、最近なにかと縁がある村上春樹原作ということ、何より上映時間が3時間ということにあった。
邦画を避けている人が、3時間の邦画を観に行った理由。
舞台・音楽
表参道交差点付近の華やかさを背にして、どんどん暗い方へ進んでいくとひっそりした先にみえる、どの駅からも不便なのに、日本でいちばん有名なライブハウス。
ブルーノート東京への道のりから始まる、ジャズの夜。
海
東京での暮らしは大好きだ。それでも時々、東京のリズムからふっと離れたくなる。先日、子どもを2泊3日のキャンプに送り出し、私は宮崎県の青島へ向かった。
東京が好きなまま、東京から離れたくなったら。
楽器を弾く
ピアノが縁でこんな出会いができたことに感謝しながら、ふと考えた。自分はいったい何のためにピアノを弾いているのだろう、と。
大人になってピアノを再開した人の、ひとつの答え。
暮らし
好きな人がふと香りを嗅いだ瞬間、自分のことを思い出してくれるような、つまり自分と香水とが深く結びつくように、いつも同じ香りを纏うことに憧れていた。
香りと記憶と、10代の憧れの話。
暮らし
1月の終わりに、2年越しで迷った末に、Max Maraのコートを買った。といっても正規店ではなく、直営のアウトレット店で、なのだけど。
いい服は、行き先まで変えてしまう。
本
2022年の目標のひとつに世界でいちばん長い小説、プルーストの「失われた時を求めて」を読むというのがあって、2月の最初から少しづつ読み進めている。まだ全10巻の2巻の途中で、当初考えていたよりずっと遅いペースでしか読み進められず、年内に読み終わるかどうか、といったところ。
世界一長い小説を読んでいたら、ヴァイオリンを始めていた話。
本
2021年に読んで良かった本ベスト10を考えている時、本当に?と自問自答したのがこの本だった。というのもバッドエンドな上に設定が突拍子もなく、人に薦めるのが憚られる。最愛な人の肺に睡蓮が咲いて死んでしまう話、というあらすじを聞いて、面食らわない人の方が少ないだろう。
人に薦めにくいのに、その年のベスト10から外せなかった一冊。
本
加藤周一さんの文章は、大学入試の過去問や模試でよく取り上げられるから、多くの人が、一度は目にしたことがあるように思う。たとえば「日本文学史序説」、たとえば「日本文化における時間と空間」、だからてっきり日本の文学や文化について長年研究していた方だと思い込んでいた。
知の巨匠にも、劣等感に苦しむ若い頃があった。その背中の話。
本
テラスハウスに出演中だった方が命を絶たれたニュースに触れて、その後に生前投稿されたインスタの最後のメッセージをみた。番組をリアルタイムで視聴はしていなかったけど、以前から彼女の名前をネットニュースで見かけていたから存在やキャラクターは知っていた。
同じ高校だった著者のことを、あるニュースの夜に思い出す。
ヒト
日本の月曜日はアメリカが日曜のため、私が働くような米系外資はミーティングが少ない。だから休みをとるなら月曜だし、ちょっとゆとりをもって仕事をするのも月曜。この日は午前中、仕事の合間に大量の肉と魚を低温調理しながらの業務。
低温調理の月曜日と「人生論ノート」が同居する、在宅勤務の記録。
場所
恵比寿に自転車で行くと、帰りはいつも、どう自宅がある渋谷へ戻ろうかと思案する。行きは一切迷わず、目的地への最短ルートを選ぶのに。恵比寿からは渋谷へは、大きく分けて、3つのルートがある。駒沢通りから代官山方面へ向かい旧山手通りに出るか、駒沢通りを渋谷橋に向かって行き明治通りに出るか、それとも、恵比寿西の五叉路から、山手線の線路を目指すか。
連載のはじまり。渋谷の魅力は「無節操」にある、という発見。
場所
学生の頃に憧れた場所、といえば、ダントツで西郷山公園のそばだった。特に公園の横に接していてガラス張りの出窓がある、煉瓦の外装のマンションがお気に入りで、公園のベンチに腰掛けてそのマンションを眺めては、いつかあんなところに住めたらいい、と願をかけるような気持ちでいた。
学生の頃に願をかけた西郷山公園のそばを、20年後に自転車で。
場所
19世紀に書かれたアーヴィングのスケッチブックを読んだ。この本、冒頭のアメリカからヨーロッパに向かう旅の描写がすごく素敵だし、イギリス各地を巡った時の感想もいい。当時のイギリスの様子がとてもリアルに伝わってくる良書だと思う。今回、上下巻含めて再読して、いちばん記憶に残ったのは最後のスリーピーホロウの話だった。
19世紀の作家に、急に親近感がわいた読書の話。
場所
年末に見つけたバイオリン教室がある。通うことにした理由はいくつかあるのだけれど、そのひとつが、近所に東山ミートがあることだった。東山ミートは知る人ぞ知る肉屋さん。数年通っているピアノの先生に池尻方面に引っ越すと伝えた際に、ああ、あそこにはいいお肉屋さんがあるのよね、と言った。
バイオリン教室を選んだ理由が、肉屋さんだった話。
場所
引っ越してから、子は学校までひとりで通うようになった。0歳から6歳までは徒歩30分の園へ通い、そして小学校入学から今年の7月までも、同じく30分かかる学校まで送り迎えをしていた。原則は夫が自転車で、雨の日だけ私がバスやタクシーで送っていたのだけれど──それがすべて不要になった。いまだにそのことを夢のように感じている。
焼きたての塩パンをひとつだけ買って帰る。それが贅沢、という話。
場所
引っ越してから大きく変わったことがいくつかある。そのひとつが、土曜日の朝に買い物に行く習慣だ。池尻には良いスーパーがいくつもあるけれど、定期的に行くことにしたのはオーケーストア。安いのもいいし、朝8時半から開いているのもいい。
エコバッグひとつぶんの制約も、たぶん楽しんでいる。土曜の朝の話。
食・店
胸膨らませてたどり着いた東京、それは確かに北海道の田舎街と比べれば遥かに素敵な場所ではあった。ただ「素敵」だけで楽しかったのは、最初のほんの1か月。居るだけで満たされる興奮が落ち着いてくると、この街で素敵な思いをするにはお金が必要な事実にぶちあたる。
お金のなかった上京1年目に教わった「幸せになる予習」のこと。
食・店
18歳で上京してから、神楽坂、江古田、椎名町、元住吉、神泉、駒場東大前、渋谷、そして現在は池尻と、東京の西側にしか住んだことがない。その結果、山手線でいうと、内回りなら恵比寿の先、外回りなら池袋の先をどこかアウェイに感じている。
閉店した大好きな店と、新しく出会った店。恋にたとえて。
食・店
いちどめの結婚の最後、子どもが欲しい前夫とどうもそれに気が乗らなかった私は、しばし冷却期間を設けることにした。当初2ヶ月だけの予定で神泉のウィークリーマンションを借りたものの、2ヶ月毎に結論を先延ばしにし、それから約1年後、今度はウィークリーマンションではなく、駒場東大前の賃貸マンションを借りることにした。
人生の踊り場のそばに、いつもあった定食屋。
映画
「ONCE ダブリンの街角で」という映画をみた。日本でも大ヒットした「はじまりのうた」を撮った、ジョン・カーニー監督の出世作。「はじまりのうた」は私も今年みた中で一、二を争う大好きな映画。劇中に流れる「Falling Slowly」という素敵な曲があって、それがこの「ダブリンの街角で」から持ち越した曲というのを知って興味を持った。
大好きな映画の原点をさかのぼって出会った「何ともいえない愛」。
映画
「はじまりのうた」という映画を観た。落ちぶれた音楽プロデューサーと、恋人に浮気されて失意の女性シンガーが、新しいアルバムを制作するうちに人生が好転する、素敵なストーリー。いちばん心に残ったのは、冒頭で歌われた曲「A Step You Can't Take Back」。
冒頭の一曲「もう後戻りできないその一歩」が、お守りになった話。
映画
「バレエボーイズ」はノルウェーの首都、オスロでバレエを習っていた少年3人の4年間を追った、2014年に公開されたドキュメンタリー映画だ。あどけなく、じゃれあっていた少年達がどんどん大人びて将来を憂い迷い、そして吹っ切れるまでを描いたとても爽やかな作品で、日本でも人気がある。
夢を追う人にかける言葉を考えさせられた、爽やかなドキュメンタリー。
舞台・音楽
バレエ、特にクラシックバレエというのは、細くてちょっとお金持ちそうな子が習っている、格式の高い習い事、という印象。少女漫画の世界でも、才能を見出された「天才」が、瞬く間にスターダムにのしあがっていったりと、そんなちょっと別次元の世界にみえる。選ばれた者だけが踊り、選ばれた者だけが楽しむ、それがバレエ。
別次元にみえたバレエに夢中になった人からの、全力のお誘い。
舞台・音楽
2025年2月26日、GREEN DAYの来日公演ファイナルに行ってきた。初めてのGREEN DAYのライブは、とにかく熱気がすごかった。私は2階席のスタンドにいたのだけれど、2階席でも冷やかしているような人は見当たらなかった。1階のアリーナ席に至ってはものすごい盛り上がりだった。
ステージに上がったひとりの観客に、自分の「いつか」を重ねた夜。
海
1泊2日で千葉の館山に行った。娘が海に行きたいと言っているから、が大義名分なものの、いちばん「海」を欲していたのは私だったと思う。好き好んで都会のど真ん中に住んでいるものの、時折自然が無性に恋しくなる。そしてできれば、「山」より「海」がいい。
自分はどちらのタイプの人間か、を見極める旅と本の話。
海
2020年、コロナが世界的に大流行して散々な1年の中、いいことがいくつかあって、そのうちのひとつが、宿泊費の補助が出る政府の施策「Goto Travel」だと言ったら言い過ぎだろうか。が、そうでもなかったら、計画段階から「いいな」と思っていたアマネムに泊まりに行こう、なんて考えつかなかった。
行ったばかりの志摩へ、もう一度。衝動に従える自分が好き、という話。
楽器を弾く
今日はピティナステップという、公募発表会のような催しに出た。会場は表参道のカワイのホール、パウゼ。ステップのおかげで3回目になるこのホールのピアノは、ショパンコンクールでも多くのコンテスタントに選ばれたカワイシゲル。どんなに緊張して失敗しても、「また弾きたい」と強く願わずにはいられない素晴らしいピアノ。
「いつか弾けるかもしれない」と思えるだけで、人生は豊かになる。
暮らし
4年ちょっとかかったワイヤーを使った歯列矯正が終わり、ようやくワイヤーに食べ物がひっかかる不快感とオサラバと思いきや、食事している時以外はマウスピース必須の、もしかしたら歯列矯正時代より不自由な生活をしている。
マウスピース生活の不自由さが、一杯のコーヒーを特別にした話。
暮らし
2歳の子の食事は悩ましい。うちの場合「野菜も全部食べなさい」というような理屈がまだ通らないから、好きなものを食べさせることが多く、本人が好きな「肉」または「ごはん/麺類」にメニューが偏りがちだ。この日も大人のメニューは魚。が、子はきっと食べないだろうから、まあパスタでも買うかなあ、なんて気持ちでコンビニに行った。
コンビニの中辛ルーと古いりんごから、母のカレーを思い出す。
暮らし
認可外保育園に子を預けるようになって2日目。やりたかった仕事は子を預けている間、ミーティングの準備も子が昼寝している間に済ませる事ができ、昼食もゆっくり静かに食べた。子がいないとこんなにも仕事が捗るのか、という事にびっくりする。昨日感じていた背徳感、罪悪感のようなものは消失して、思った通りに仕事ができた満足感だけが残る。
散らかった台所でも、胸いっぱいに幸福感は満ちる、という話。
Daily Log
公演、旅、店、本、音楽。体験のひとつひとつを「粒」にして、月ごとに並べています。このサイトでいちばんよく育っている場所です。
いま 1874 粒 ・ 最終更新 2026.07.28
KINDLE BOOKS
読んだ本と日々の記録を、2冊のKindle本に。
100年以上読み継がれた本、読み継がれると考える本を古典を中心に紹介。巻末に2022年に読んだ全113冊の一言ブックレビューを収録。
2022年4月から9月までの日記から21編を編纂。どこに行き、どんな人に会い、どんな本を手に取り、何を考えていたのか、の記憶/記録。