読書日記

読書・文学

サン=テグジュペリ『人間の大地』/死ぬことが少し怖くなくなった、その理由

「いい本」とは何だろう、と考えた時に私がいちばんに思うキーワードは「自分にはない新しい視点、しかもためになる」。今回たいそう感激したサン=テクジュペリのエッセイ集『人間の大地』はまさに私にはない視点の連続で、読み終わった後、まるで今までの自...
読書・文学

夏目漱石「草枕」/絶望の中での生きる智慧

『少女ポリアンナ』という、世界名作劇場でアニメにもなったエレナ・ポーターによる児童小説がある。新訳 少女ポリアンナ (角川文庫)孤児になったポリアンナは気難しい親戚に引き取られ、なかなかひどい仕打ちを受けるのだけど、亡き母から教わった「よか...
読書・文学

ヴェルコール『沈黙のたたかい』/戦争反対?本当に?

戦争反対、という言葉に違和感を感じるようになったのは、中学生の頃だ。小学校の時に「ヒロシマのうた」という教材を3か月ほどかけて読み説く国語の授業を受け、その時点では戦争はよくない、戦争反対、という思いを強く持ったのだけど、その後歴史の授業で...
読書・文学

アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』(1944)/加害性と向き合う

毎月参加している読書サークルでアガサ・クリスティの『春にして君を離れ』を読んだ。この本、10年前くらいに読んだ時は「いい話」という印象だったのに、再読したらいい話どころか、人が死なないホラー。配偶者と子どもの人生を自分のもののように口出しを...
読書・文学

ドストエフスキー「貧しき人々」(1864)/不相応な恋心に寛容である生きやすさの話

とあるラグジュアリーブランドのファンで、長持ちする小物やバッグは、なるべくそのブランドで買うことにしている。そのブランドの店舗に行く時はいつも私なりの最大限キチッとした身なりをして、足を踏み入れる。ところが先日は子を保育園に送った後にカフェ...
読書・文学

世阿弥「風姿花伝」(1400)「花鏡」(1428)/この先の人生、ただただ向上進歩するのみ

2022、仕事初め。12月23日からほぼ会社PC開かず、だったので、頭に入っていたはずの曜日毎のなんとなくのスケジュールがしっくりこない。頭が働くようになるまでの作業として、12月のランチ代の請求書(弊社はランチ代の補助が出る)をひたすら社...
読書・文学

ショーペンハウアー「読書について」(1819)/100年経っても読まれる本

2021年は180冊、本を読んだ。その中で読んでよかった本ベスト5を考えてみたところ、こんな感じとなった。ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」(1947)うたかたの日々 (光文社古典新訳文庫)夏目漱石「草枕」(1906)草枕 (岩波文庫)荒木...
読書・文学

ヘミングウェイ「移動祝祭日」(1964)/本当のことを書くのはとても難しいという話

「老人と海」「誰がために鐘が鳴る」など数々の名作を書き、ノーベル文学賞まで受賞したアーネスト・ヘミングウェイ。彼は猟銃自殺をして亡くなっていて、そしてこの「移動祝祭日」は、そんな彼が生前、最後に手掛けていたエッセイだ。彼がまだ20代で無名で...
読書・文学

ボリス•ヴィアン「うたかたの日々」(1947)/不幸にならずにすむ、たったひとつの方法の話

2021年に読んで良かった本ベスト10を考えている時、本当に?と自問自答したのがこの本だった。というのもバッドエンドな上に設定が突拍子もなく、人に薦めるのが憚られる。最愛な人の肺に睡蓮が咲いて死んでしまう話、というあらすじを聞いて、面食らわ...
読書・文学

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」(1880)/大人になって味わう達成感と、子ども時代に経験したい神聖な思い出の話

10代の頃から読みたい、と思っていたものの、なかなか手が出なかった「カラマーゾフの兄弟」を読み切った。ジェイムス・ジョイスの「ユリシーズ」を読み切った時の達成感もよかったけど、今回は大変苦手にしていたロシア文学を、だったので、感激もひとしお...