読書感想文

読書・文学

アーヴィング「スケッチブック」-寡婦とその息子-から考える「解放」としての死

ここ最近、アーヴィングの「スケッチブック」を読んでいる。19世紀に書かれたエッセイだ。冒頭のアメリカからヨーロッパに到着するまでを書いた「船旅」は、現代の旅行記として読んでも違和感がなく、数百年の時を経ても、感じることはこんなにも変わらない...
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オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』/的を狙わずに的を射る

オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』は、ドイツ人哲学者による弓道体験記。この本が広く読まれてきた理由のひとつに、「ライ麦畑で捕まえて」の作者、サリンジャーの愛読書だったことがある。彼の最後の作品『ハプワース』には、本書で繰り返し語られる「的を狙う...
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関係の終焉は闇か光か/江國香織とフィッツジェラルドを読みながら考えた

最近江國香織のエッセイを立て続けに読んで好きだなあと感激し、今日は「号泣する準備はできていた」という小説を手に取った。かなり冷房が聞いたカフェでページを開き、読み進めるうちに更に体が冷えた気がした。そこに書かれているのは崩壊した、しかかって...
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フィッツジェラルド「お坊ちゃん」感想/親しい人の死で解放されるということ(ネタバレあり)

フィッツジェラルドの短編『お坊ちゃん』を読んだ。裕福な家に生まれたアントンの、必ずしも幸福ではない人生を覗き見るような小説。そんな話の中で何よりも強烈だったのは、最愛の人があっけなく死んだことで、アントンの中の長い停滞がほどけ、新しい一歩を...
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「捨てる」は自分の至らなさを認めて前に進むこと/近藤麻理恵「人生がときめく片づけの魔法」

久しぶりにコンマリこと近藤麻理恵さんの処女作「人生がときめく片づけの魔法」を読んだ。この本の内容はいたってシンプル。片付けられると人生が変わる。そして片付けるために大切なのは捨てること。ちょうど引越しが迫っていて日々捨てる、を意識していたか...
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ミル「自由論」(1859)/SNSの使い方に関する19世紀からの提言

夜寝付けない時には難しそうな本を読む。今回読んだミル「自由論」もKindle Unlimitedで読めるラインアップの中で「眠くなるだろう」と思ってダウンロード。ところが冒頭からパンチラインの連続で逆に目が覚めた。Twitterで時折見かけ...
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ヘミングウェイ「移動祝祭日」(1964)/本当のことを書くのはとても難しいという話

「老人と海」「誰がために鐘が鳴る」など数々の名作を書き、ノーベル文学賞まで受賞したアーネスト・ヘミングウェイ。彼は猟銃自殺をして亡くなっていて、そしてこの「移動祝祭日」は、そんな彼が生前、最後に手掛けていたエッセイだ。彼がまだ20代で無名で...
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ボリス•ヴィアン「うたかたの日々」(1947)/不幸にならずにすむ、たったひとつの方法の話

2021年に読んで良かった本ベスト10を考えている時、本当に?と自問自答したのがこの本だった。というのもバッドエンドな上に設定が突拍子もなく、人に薦めるのが憚られる。最愛な人の肺に睡蓮が咲いて死んでしまう話、というあらすじを聞いて、面食らわ...
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バチェラーに選ばれるより、ひとりでバーで飲める女

Amazon Prime で配信されている恋愛リアリティーショーのバチェラー&バチェロレッテシリーズ、私は好きでシリーズの最初からみている。ただこんなツイートをみかけて、ちょっと複雑な気分に。バチェラー見てるとほんっとに「相手の気持ちに寄り...
読書・文学

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」(1880)/大人になって味わう達成感と、子ども時代に経験したい神聖な思い出の話

10代の頃から読みたい、と思っていたものの、なかなか手が出なかった「カラマーゾフの兄弟」を読み切った。ジェイムス・ジョイスの「ユリシーズ」を読み切った時の達成感もよかったけど、今回は大変苦手にしていたロシア文学を、だったので、感激もひとしお...