読書感想文

読書・文学

夏目漱石「門」(1910)/悟れないと知ることが悟ることの第一歩

今の会社に入って前職以上に感じるのが自分のいたらなさ。英語力はもちろん、ロジカルに持論を展開する能力だったり、ちょっと足りてない、役不足だと感じることがある。思えば文章を書く行為についても、最近は「自分の文章のここがよくない」ということを最...
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ワシントン・アーヴィング「スケッチブック」(1820)/東京と地方の、そして19世紀の格差の話

この日は前から予約していた近くの民間学童の説明会へ。せっかちなのでいつか必要になるなら早めに知りたい。そういえば、中学受験で人気の塾、SAPIXにも子が0歳の時に見学に行ったのだった。今回行った学童は、私が知る限り、そこまでラグジュアリーな...
読書・文学

アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」、そして「マドラス行きの列車」のこと

今年に入ってから100冊以上の本を、20本以上の映画を手に取って気づいたことがある。それは読んでからしばらく頭に残る作品がある一方、手にとったことすら記憶から消える作品があるということ。そして残念ながらしばらく頭に残る作品というのは、思って...
読書・文学

秋尾沙戸子「ワシントンハイツ-GHQが東京に刻んだ戦後」/昔そこにあった凄まじい格差

ワシントンハイツ、という言葉を、恥ずかしながら、ついこの間初めて聞いた。今の代々木公園からNHK本社にかけてのあたり一帯は、戦後日本人が立ち入ることができない、フェンスで塞がれた、アメリカ人のための街だった。その街の名を「ワシントンハイツ」...
読書・文学

フルニエ「グラン•モーヌ(モーヌの大将)」(1913)フランス文学史上、2番目に読まれた本

世界中でもっとも翻訳されたフランスの小説はサン=デグジュペリの「星の王子様」、そして2番目に翻訳された本がこのフルニエ作「グラン・モーヌ」だと言う。(年にフランスの新聞社「ル・モンド」紙が行った「どの本があなたの記憶に残っていますか?」を問...
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渡辺京二「逝きし世の面影」ジャレド・ダイヤモンド「昨日までの世界」/社会はいかに変わることができるか

「逝きし世の面影」は19世紀から20世紀初頭にかけて日本を訪れた外国人達が日本についてどのように言及しているか、の膨大な記録を著者が編纂し、考察した本だ。本編だけで577ページもあり、初めて手にした時、その分厚さと重さにびっくりだった。更に...
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加藤周一「羊の歌」/「知の巨匠」が巨匠じゃなかった頃のこと

加藤周一さんの文章は、大学入試の過去問や模試でよく取り上げられるから、多くの人が、一度は目にしたことがあるように思う。たとえば「日本文学史序説」、たとえば「日本文化における時間と空間」、だからてっきり日本の文学や文化について長年研究していた...
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「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる」感想/恋をする前も、後も。

1977年生まれの私が10代の頃にいちばん読んだ本は山田詠美さんの「放課後の音符」という短編小説集で、その小説に出てくるような恋がしたくて、そのためにはどうすればいいか、を考えながら過ごした10代だった。林伸次さんの「恋はいつもなにげなく始...
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梨木香歩「春になったら苺を摘みに」/世界の善を信じられるたったひとつの方法

梨木香歩という作家を知ったのはつい最近のことで、一番最初は作者の「家守綺譚」という、これぞマジックリアリズム!という小説だった。それは屏風の中から死んだ親友がボートに乗って出てきたり、庭の池から河童が現れたりと、そんな摩訶不思議な、それでも...
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DIE WITH ZERO 感想/「ことば」の力で世界の見え方が変わった話

時折本を読んでいると今までの自分の世界の見え方をすっかり変えてしまうような、そんな言葉に出会うことがある。私にとって、「DIE WITH ZERO」に出てくる「記憶の配当」という言葉がそれだった。「DIE WITH ZERO」の著者はトレー...