小説

読書・文学

「ドライブ•マイ•カー」感想/世の中捨てたもんじゃないと思った、その理由 ※ネタバレあり

新しい映画、しかも邦画、はなるべくみないようにしているにも関わらず「ドライブ•マイ•カー」を観ることにしたのは、周囲の評判が恐ろしくいいこと、最近なにかと縁がある村上春樹原作ということ、何より上映時間が3時間ということにあった。いまどき3時...
読書・文学

渋谷の月

果たされなかった約束を供養するために街へ出る。渋谷で月をみるならセルリアンタワーのベロビスト、そう思っていたのに今はアルコールを出さないだけでなく19時で閉店という。やるせない2021年、お月見日和。地上40階、187mを上ってすぐ下りる。...
日記

2021/8/8 ひとつの香りには切なる祈り

台風によるなかなか圧の強い雨が降る中、美味しいハンバーガーが食べたい衝動を抑えられずバスを2本乗り継ぎ、渋谷、というには駅からかなり歩く(故にバス)レッグオンダイナーへ。ハンバーガーが好きな今のパートナーと相当あちこち食べ歩いた結果、私はこ...
読書・文学

フルニエ「グラン•モーヌ(モーヌの大将)」(1913)フランス文学史上、2番目に読まれた本

世界中でもっとも翻訳されたフランスの小説はサン=デグジュペリの「星の王子様」、そして2番目に翻訳された本がこのフルニエ作「グラン・モーヌ」だと言う。(年にフランスの新聞社「ル・モンド」紙が行った「どの本があなたの記憶に残っていますか?」を問...
食・店

茶亭羽冨/幸せになる予習、復習

胸膨らませてたどり着いた東京、それは確かに北海道の田舎街と比べれば遥かに素敵な場所ではあった。ただ「素敵」だけで楽しかったのは、最初のほんの1か月。居るだけで満たされる興奮が落ち着いてくると、この街で素敵な思いをするにはお金が必要な事実にぶ...
読書・文学

夢見るチカラ

夢をみる。死んでしまった恋人の夢。もうあれからしばらく経つというのに、目覚めた時、私はいつも泣いている。夢の中で彼は困った顔をする。いい加減俺のことなんか忘れろよ、と言わんばかり。そんな事できたらとっくにしている。できないからとても困ってい...
読書・文学

40マイル

ケイトがまどろむ前にアラームは鳴った。200ポンドの部屋に泊まった所で、無機質なアラームの音は安っぽいB&Bのものと何ら変わりがない。チャールズは起き上がり、サイドテーブルに置かれたYシャツをのろのろと羽織りながら、もう行くよ、そう抑揚のな...
食・店

【シブレス#05】つけ麺屋 やすべえ(ラーメン/渋谷明治通り)/つれない男の落とし方

同じ社内にいいなと思っている男子がいるとする。そんな時、誰もが一度は考えることがある。仕事がお互い遅くなる、そしてたとえばエレベータホールで偶然一緒になって、帰りの方向も一緒で、そして何かお腹空いたね、何か食べに行こうか、そんな話になる。か...
食・店

【シブレス#04】コックマン(ビストロ/渋谷道玄坂)/猫の皮を被った男は嫌いじゃない

エンジニアというのは不思議な人種だ。チャットツール上ではいつも饒舌なのに、面と向かって話そうとすると、とたんに無口になる。店に向かうまでの道中、ナカヤマの顔をちらと盗み見ると困惑しているようにみえる。きっと女慣れしてないからだ、自分に興味が...
食・店

【シブレス#03】「えん」(和食/渋谷駅東口)/付き合いたい女、やりたい女、結婚したい女、話が聞ける女

トオルには今、3人女がいるのだという。えいこ。同じ職場の同期の女。ミスキャンパスの最終候補に残ったこともあるルックスで、彼女を知る誰もが「え、えいこと付き合ってるの、羨ましい」というレベル。ただ体の相性は最悪、付き合って2か月にしてもうセッ...