WDJF2025雑感:Oasisが正解じゃなかった夜の話
先日、大好きなThe ChainsmokersをみにWDJF(World DJ Festival)へ行った。
最初に鳥肌が立ったのはKSHMRのステージ。ドリンクの列に並んでいたのに、メインステージの熱狂が伝わってきて、お約束の「3、2、1、0」の煽りの後には爆発的な歓声が起こり、皆が一斉に飛び跳ねる振動がこちらまで伝わってきた。あんな盛り上がりは、サマソニのマウンテンステージでもめったにない。18時台であのテンション、本当にすごかった。
続いて登場したNicky Romero。私はエリア後方で体力温存のつもりで観ていたはずが、周囲の熱気に釣られて、結局全力で跳ね続けていた。Aviciiのナンバーでは大合唱が起こり、まるでフジロックでノエルのバンドが演奏した「Don’t Look Back in Anger」のような一体感。これまで観てきたライブの中でも、一、二を争う盛り上がりだった。もちろん、Nicky Romeroでそれなら、The Chainsmokersは言うまでもない。
客層が本当に素晴らしかった。音楽に合わせて体を動かし、歌い、声を上げる人がこんなにもいることに、心から感動した。
ただ、そんな最高のフェスの中で、いちばん印象に残っているのは意外にも、Chainsmokersの直前に行われたClosing Show。Oasisの「Don’t Look Back in Anger」がフルで流れたときのことだ。
イントロを聴いた瞬間、「これは盛り上がるぞ」と思った。でも、少なくともアリーナ中央あたりにいた私の周囲には、あの曲を歌える人がいなかった。もちろん会場全体では、私も含めて歌っている人は少なくなかったけど、Nicky RomeroのAviciiの曲で起こった大合唱の、体感で1/3くらいの熱量。あの場で、Oasisはアウェイだった。
あれだけノリのいい観客たちが、「Don’t Look Back in Anger」にあまりピンと来ていないことが、私にとって衝撃だった。でも同時に、ものすごく腑に落ちた。「ある場所での“正解”は、別の場所では“正解”じゃない」——それを体感した。
Chainsmokersのステージが始まると、Oasisを歌えなかった周囲の人たちが、「Closer」はもちろん、「Paris」や「High」まで、ほぼ完璧に歌っていた。そう、きっと、これをサマソニで流しても、ここまでの反応は返ってこない。
場にうまく溶け込めずに悩んでいた時のことを思いだす。
だけど、Oasisですら、正解じゃない場所がある。それだけのことだけど、なぜか今は、そのことが1番心に残っている。