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makicoo — essays 2017–2026

理想の自分も手放す

2025-07-02 / 考えごと・人生 / エッセイ・断捨離

引っ越しを控え、手持ちのモノを見直している。特にハイブランドのアイテムは、箱をすべて保管しているものの嵩張るので、今回業者に買い取ってもらうことに決めた。

最初に「売ろう」と思ったのは、エルメスのピコタンだった。このバッグを手に入れるまでに、実はけっこうな労力をかけた。数ヶ月店舗を回って、ようやく手に入れたときの嬉しさは今でも覚えている。

買った当初はよく使っていた。でも、最近は荷物が増えてしまって、出番がどんどん減っていった。子どもが大きくなったら譲れるかも?と思ったりもしたけれど、使わないまま時を経たら、劣化するのではないかと気になった。それなら、まだ状態がいい今のうちに、と決めてからは、気持ちがずいぶん軽くなった。

ピコタンの他に、手放そうとしたものがもうひとつある。ヴァンクリーフ&アーペルのスウィートアルハンブラのブレスレットで、数年前の自分の誕生日に買ったものだ。

当時は、スウィートのパピヨンやハートなどを少しずつ記念日に買い足して、いつか子どもに引き継げたら素敵だな、なんて想像していた。でも、気づけばよく身につけているのは、カルティエのダムールのブレスレットだった。白蝶貝はデリケートなので、ガサツな私にはつけっぱなしにできないのもネックだった。

つくづく思う。私は、「初めて」とか「記念」というものに、こだわりがない。

厳選した「いいもの」を大切に、末長く愛用する。そういう人にずっと憧れていたし、自分もそうなりたいと思っていた。けれど現実の私は、せっかくの「いいもの」をずいぶんとあっさり手放してしまう。

理想の自分も、手放した。

少し残念にも思うけれど、きっと私は時間をかけて選んだものをこの先も手放しながら生きていく。執着しないこと、できないこと、それが私の生き方で時に強みなんだと、考えた。

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