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makicoo — essays 2017–2026

東京に住む人の特権

2025-07-27 / 考えごと・人生

子が通うダンス教室の大人クラスの「発表会」に行ってきた。親戚の子も出ていたし、子も通っている。そうでもなければ行くなんて思わなかっただろう。チケット代は5,800円。普通だったらプロの舞台を観に行く金額だ。

でもこの発表会は、「発表会」という概念を軽々と打ち破ってきた。まず、照明や舞台演出が異様に洗練されていて驚いた。オープニングは講師陣のダンス。彼らはアーティストのMV出演やプロ公演のバックダンサーとして活躍している人ばかりなので上手いのは当然だとして、そのあと登場する「生徒」と思われる人たちのレベルが高すぎて、どこまでが講師陣かわからなくなった。

さらに、芸能人かと思うほどスタイルの良い人たちがゴロゴロいる。引き締まったお腹、しなやかな背中、すらりと伸びた足。その身体で踊られる、洗練された振り付けのナンバーはどれも見応えがあって、3時間の公演があっという間に感じた。素晴らしいナンバーに触れて何度も感動で涙がでた。いま、こうやって思い返すだけで胸が熱くなる。

そして公演の間ずっと、「東京に住む人の特権」について考えていた。私は仙台出身。地方都市としてはそれなりに大きい。でも、これだけレベルの高い発表会が開催されることはまずないと思う。一流のダンサーや振付家たちは、やはり東京に集まる。そしてそんな彼らが、日々の仕事の合間に講師として教えているからこそ、こんな舞台が実現。そしてそんな講師を身近に感じながら切磋琢磨しているから、動きも体も洗練されるのだ、と納得した。

一流に直接触れられること、それが東京に住む人の特権だ。

私自身、仙台では親のツテで仙台フィルのコンサートミストレスにバイオリンを習っていたけれど、東京では「渋谷 バイオリン」で検索して出てきた教室で、体験レッスンの先生がそのまま先生に。彼女は東宝のミュージカルなどでコンサートミストレスを務めるような一流のプロ。子どものダンスの先生も、ハロプロの舞台で振付やダミーダンサーを担当したこともある経歴だ。

ネットの発達で地方と東京の文化格差は以前より小さくなったかもしれない。でも、この発表会のような“現場の温度感”まで含めて味わえるのは、やっぱり東京ならではだと思う。こんな素晴らしい舞台でスポットライトを浴びたこと、やりきったことは、いったいこの先の人生でどれだけの自信になるんだろう。

地方で育った私にとって、それはとてもまぶしくて、ちょっとだけ切なかった。

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