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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」/禁じられた性癖を持つということ

2018-05-16 / 読書・文学 / コラム・映画・コンテンツ会議・イミテーションゲーム

先日無事女の子を出産した。初めて新生児の赤ん坊の世話をして衝撃を受けたことのひとつに、4000gにも満たない体に女性器がついていることがあった。

幼い子に性的興奮を覚える性癖のことをペドフィリアという。

以前男性保育士に子どものおむつを変えて欲しくないという論争があった。出産前は分からなかったけれど、初めて嫌だ、と主張する母親の気持ちが分かった。そしてこの子を守らねば、という気持ちが強く芽生えた。

「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」は、天才数学者、アラン・チューリングの半生を綴った映画だ。話の本筋は、いかに彼が第二次世界大戦時に、ナチスドイツの暗号解読に貢献したかにあるのだけれど、私にとっては、同性愛者だったチューリングが、その性癖が当時禁じられていたが故に、いかに辛苦を舐めたか、という点に強く心を揺さぶられた。

幼い頃、凄惨ないじめの対象だったチューリングを助けてくれたのはクリストファーという同級生の男の子だった。同性愛者が故の彼の苦難は、ここからはじまる。お互いに心を通わせた彼の「初恋」はクリストファーの病死という残酷な結末を迎える。
彼が死んだ、という知らせを聞いた時に、彼はそれを教えてくれた学長に「クリストファーとは別に対して仲良くなかった」と嘘を言う。同性愛が当時重罪で、そしてタブーであることを、幼い頃から彼は知っていたのだろう。

その後チューリングは研究者となり、第二次世界大戦中はイギリスの諜報部隊のリーダーとして、ナチスドイツの暗号解読に取り組む。
自分の才能を信じて疑わず、全く他人にどう思われるかを気にしない性格だったチューリング。にもかかわらず「自分が同性愛者である」という点にだけは彼はとても繊細で、そして事あるごとに苦悩する。そして同性愛者である、という彼の秘密は、時にそれが彼に対しての脅迫の材料になり、そして最後には自ら命を絶つという決断をするキッカケになった。

21世紀になって、ようやくLGBTをはじめとした一部のセクシャルマイノリティーにとって、以前よりは生きやすい世の中になった。この映画をみおわえた後、アラン・チューリングのような人が少しでも生きやすい世の中になるようにと強く強く思った。性愛というのは人間の三大欲求のひとつだ。それを満たすことが禁じられる世知辛さが、この映画を見終えた後に私が一番強く感じたことだ。

ただ一方で、ペドフィリアのような性癖がある。チューリングが受けた薬物治療は現在も行われていて、アメリカを始めとした各国で、ペドフィリアを含めた性犯罪者に対して実施されている。

私はこれからの人生、ひとりの女の子の母親として、絶対に子をそのような性癖の人から守っていく。万が一疑わしい人をみかけたら即座に通報するし、そのような傾向がありそうな人には絶対に子どもを近づけない。

ただしそれは、かつてアラン・チューリングが受けた仕打ち。その事実が、「イミテーション・ゲーム」を観終えた後から、心の奥底でずっと消化できずにいる。

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