自分ハック#2 「憧れのスタイル」とは違っていても胸をはって生きていく
「40歳」という若さときっぱり決別せざるをえない誕生日を迎えるにあたり、いくつか心がけたいと思ったことがあって、そのうちのひとつが「これからは身に着けるものを厳選する」だった。
私がSNSや雑誌で見かける「素敵だなあ」と思う女性はみな身に着けるものにこだわりがあるようにみえたし、何年も、時には何十年も気に入ったものを大切に使い続けるという精神はすごく素敵だなあと思っていた。それまでの私といえば、とにかく身に着けるものに無頓着。だからただの「おばさん」にならないためにも、これからは見た目に気を使い、そしてなるべく質のいいものを身につけられたらと考えていた。
そして今年やりたいなと思ったことのひとつに、「一生モノのカバンを買う」というのがあった。妊娠・再婚・昇進と人生の一大イベントが重なった上にボーナスが出たので、まとまったお金があった。記念にハイブランドの一生モノのカバンを買う、というアイディアは、憧れの人に近づくような、そんな心持ちがした。
ところがここ数か月、何十ものバッグを手に取ってみたのだけれど、どうもピンとこなかった。正確には、いいなと思うバッグは何個もあったけど、値札をみると買う気が失せた。下世話な話だけど、買うに足りるお金はあった。ただ「一生使うか」と自分に問いかけても自信がなくて、だから大金をかけるのがどうも納得いかなかったのだ。
そして今日何気なく通ったお店で使い勝手のよさそうなトートバッグを買った。「厳選したものを」としばらくバッグを買うことを控えていたのだけれど、とうとう我慢しきれなくなったのだ。そしてひとつ買ったらタガが外れ、よく行くセレクトショップをはしごして、結局1日でバッグを3つ買った。
買ったバッグはどれも安価。3つあわせても、私がハイブランドのバッグのために「使ってもよし」としたお金の1/10もしない。厳選したかというと答えはNO。ハイブランド店をはしごしながらぼんやりと考えていた「欲しいなあ」という形のものを店頭で見かけ、それをひらめいたとおりに買っただけ。
今回買ったバッグたち、今はとても気に入っているけれど、1年後もそうかと言われると自信がない。ただ、その時にいいなとひらめいたものをひらめいたとおりに身に着けるということ、私が憧れている人達のスタイルとはまるであべこべなのだけれど、何だかずいぶん私らしい気もした。
よくよく考えてみると「生き方」には正解がない。だから誰かのスタイルを素敵だなあと思ったとしても、その生き方を倣う必要は全くない。
「いいバッグを買う」の呪縛から逃れた私はなんだか清々しくて、そして何より今日手に入れたバッグを使うのが今から楽しみだ。
「ひらめき消費」こそきっと私のスタイル。憧れているスタイルとはずいぶん違うけど、胸をはって生きていきたい。そう思う。