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makicoo — essays 2017–2026

彼をHeと言っただけなのに?

2021-04-29 / 考えごと・人生

ここ最近でいちばんビックリしたことは、とある人生相談の回答について、「問題ない」と考えている人が私の想定以上に多かったことだ。

「14歳の友達が避妊なしで19歳の男性とセックスをしている。私はちょっとおかしいのではないかと思う。ただ友達は家庭に問題があるから男性に走るのも分かる。私はどうすればいいのだろう?」に対し、回答者は「あなたのような優しい友達がいて彼女は幸せだ。話を聞いてあげるだけでいい」と答えた。
私は「問題ない」とする人々の発言をみかけるたびに少々の憤りを覚えた。冷たいと思った。ただ「問題ない」とする人たちの日頃の発言に目を向けると「冷たい」要素はあまりなくて、ああこれは「人間性」の話ではなく、「価値観」の差異による反応の差なのか、と気が付いた。

私は現在、アメリカ西海岸に本社があるとてもリベラルな社風の会社に勤めている。入社手続きの際に、緊急連絡先の相手との関係性について選択するプルダウンメニューの多さにびっくりし(たとえば同性カップルに考慮し、法律婚以外のパートナーシップを結んでいる相手という選択肢が用意されている)更に数か月前、採用面接で面接者を評価する際に、He/Sheを用いないように注意された。生物学的性が必ずしも本人の自認する性とは限らないからだ。
それ以来、日頃からHe/Sheを使わないようになった。そして、He/Sheをよく知らない相手に使うことに抵抗を感じるようになり、更にはそれを気軽に使う相手に違和感を持つようになった。He/Sheを気軽に使う人に違和感を感じる自分、現在特に日本では少数派だ。ただこの考え方が今後日本でもマジョリティになった時に、He/Sheを気軽に使う方が違和感を持たれることになる。
このような価値観のアップデートは現在進行形で色々なところで起きている。大物政治家が「女性がいると会議が長くなる」と発言して辞任する騒ぎになったのも、世の中全体の価値観のアップデートが行われているからだ。発言者にとっては「え、彼をHeと言っただけなのに?何が悪いんだろう?」でしかないのだと思う。

冒頭の話に戻る。

「14歳の友達が避妊なしで19歳の男性とセックスをしている」

これについても、まさに価値観のアップデートが現在進行形で行われているのだと思う。

もしこれが

「友人が親から性的なことを言われたり体を触られたりしているようです。本人はしょうがないと諦めているようです。私はどうしたらいいでしょう」

だったらどうだろう?より多くの人が「あなたのような優しい友達がいて彼女は幸せだ。話を聞いてあげるだけでいい」はおかしいと思うんじゃないか。ちなみにこちらについても、ひと昔前は「しょうがない、よくあること。男性とはそういうものだ」で片づけられていた。

改めて「14歳の友達が避妊なしで19歳の男性とセックスをしている。」について考える。果たしてこれはしょうがないことなのか。

私はそうじゃないと思うし、そうじゃない、と思う人が増える方向での、価値観のアップデートを願っている。

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